関西インディミュージック研究会

関西でインディミュージックについての理解を深めることを目的としたリスナー中心の集まりです https://twitter.com/INDIE_BE

「NYP Favorite Music」の企画の意図について

今回は界隈を問わず、様々な方々にバンドキャンプNYPのフェイバリットをお伺いしました。
多様な個性をもつ協力者の皆様は、運営に関わる私個人としても非常に世界の広がる体験となりました。

本文の導入の前に、ご協力いただいた方々、そしてご検討いただいた方々、企画を楽しんでいただいた方々、応援していただいた方々に心より御礼申し上げます。実際にお会いする機会がございましたら、その折りに改めてお伝えさせていただきたく思います。

さて、今回この企画は何を意図していたのかという意見も賛否両論いただいておりますが、Bandcampにて、NYPで公開されている作品から、Bandcamp上、さらにはSound Cloudなどで活躍するアーティストやバンドの存在をもっと広めたいと願い、企画を立案いたしました。 Bandcampを少しでも広める上で、「お金を払う」手段に負担のある日本の特性を鑑み、有料の作品ではなく、気軽に触れられて、さらにそれに対して対価を支払うことについて考えていただける契機となればという思いを込めて、NYPで公開されている作品に限定いたしました。

もしかするとこの記事を読んでいただいて初めてその存在を目にした方もいらっしゃるのかも知れません。Bandcampは、今や世界的なインディーミュージック市場のインフラと言って良いでしょう。しかし、日本においては、認知度は勿論のこと、Bandcampでの一般的な決済システムであるPaypalの導入にかかるコストなどが弊害となり、十分に普及しているとは言い難いです。それがいずれ、Amazonで「ポチる」ような感覚で音源を購入できるような環境が用意されることを祈るばかりです。

今回の企画で取り上げたNYPという形式での配信を選択するのはアーティスト自身であるため、リスナーがそれを無料で手に入れることに全く問題はないのですが、良いと感じたものについては「投げ銭」することにもう少し積極的になる必要があるのかもしれません。
普段から京都の三条付近でストリートで音楽をされている方に「投げ銭」について伺ったことがあります。その方は、「日本人はスマホで撮影をしてもお金を払ってくれないけれど、外国人の方々は積極的にお金を入れてくれる」と仰っていました。インターネット上(本件でいうところのNYP)と現実は全く違う場であるとはいえ、「無償で音楽が提供される場」ということに違いはありません。この場で対価の支払いについてどちらが正しいと言明することは控えますが、皆さんの考えるキッカケとしていただければ幸いです。とりわけ、こういったことについて危機感を持ち続けてきたのは「現場」ではなく、ただ習慣付けられて無意識的営みになってしまいがちな「音楽を楽しむ」ということについて一人一人のリスナー(当然私自身も含む)の方々に何かしらを訴えかけることができたのであれば、それ以上は望むことはありません。

それでは近日公開させていただく第四弾もご協力いただいた多様な方々の色鮮やかなレビューと共にお楽しみいただければ幸いです。