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関西インディミュージック研究会

関西でインディミュージックについての理解を深めることを目的としたリスナー中心の集まりです https://twitter.com/INDIE_BE

音楽好きへの質問16 回答者【No.10】LXV さん

1. どんなきっかけで音楽を聴き始め、そして音楽を作るようになりましたか?

 

音楽、そしてアートをを生み出す方法について学ぶこと、そして人の知覚を音によって広げることの楽しさ。音楽という媒体に即時性があるということ、流動的にアイデアをまとめることができること。そして音を使って感情、そしてスピリチュアルな面でつながれること。

 

2. あなたの音楽スタイルはとても先鋭的だと思います。あなたの音楽は10年代のニューエイジやポストインターネットの世界観を合成音声や感情的なアンビエントで表現しています。いま現在、SoundcloudやBandcampなどで活動しているアーティストはリスナーたちに対して(それを通して自分の)マインドを吹き込むとともに、現実とインターネットの柵を越えて複雑な精神世界に触れています。あなたの作品はどこをベースに作られていますか?無限に広がる現実世界、もしくはオンライン上でのアンダーグラウンドがあるんでしょうか?

LXVは人間の存在意義問おうとしてるところが大きいんだ。自分の疑心や恐れ、幸福、そしてスピリチュアルな経験に踏ん切りをつけるために、暗号化されたシンボリズムを使って自身の神話のようなものを入れようとしているんだ。それと同様に、世の中のすべてがつながっているということ、そしてその感覚を失ったときに存在する空間、つまりは精神的な分離、そしてニヒリズムもあらわしているんだ。

インターネットとの類似性も感じるだろうだろうけど、人工的な意識、そしてバーチャルな空間における人の感情の不明瞭さ、こういったLXVの面は五感を使った人間の意識と観察、そしてそこを超越した現象を理解するなかで生まれる存在意義への問いを象徴しているんだ。

精神的な感情をすべて言語化し、そのなかから教理を生み出すことへの問題提起を合成人声を使用することによって表しているんだ。それはあらゆる現象の音楽であるということの表現であると同時にいまいる現実という謎を表しているものでもあるんだ。僕達がいま経験している世界はつくりあげられたものであり、偽りであるかもしれないということを気づかせてくれるんだ。

ドローンなどを使用するのにも同じことが言える。永遠に終わることのない宇宙のどよめき。その中で我々の時間の概念や限り有る現実は意味を持たないかもしれない。

記憶や場所、シンボルを呼び起こすような音によって聴いている人を牽引することが大事だと考えるんだ。彼らの個人的な経験に押し付けることなく。

 

3. あなたは本名名義を始め、時にはCurrent Amnesiaのメンバーとして、そしてKara-Lis Coverdaleとのコラボレーション、そしてLXV名義など様々な形態を用い、Soft AbuseやMonorail Trespassing、Sacred Phrases、Umor Rexといったカセットレーベルなどから作品を発表して来ました。その活動はカセットカルチャーに根ざしているように思います。カセットテープで作品を発表すること、またそれらのカルチャーに関わるライフスタイルの目的を教えてください。

 

どこか奇妙で冒険的、そしてアバンギャルドな音楽をつくる人間にとってカセットは常に非常に重要な媒体であったと思うんだ。

2000年代初頭、アメリカで、正確にはアメリカの東海岸で、ノイズミュージックが流行ってて、誰もお金のことは考えず、みんな若かかったからかな、全国を旅しながら地下室や倉庫などの空いてる場所で演奏したりテープを販売してたりしてたんだ。

さまざまな実験的なミュージックや刺激的な音に出会える素晴らしい機会だったんだ。でも個人的にはある特定の媒体に特にこだわりを持ってはいない。もしそういうのがあるとしたら圧倒的な鑑賞経験と音質から確実にレコードだね。

 

4. 子供の頃、どんな音楽が好きでしたか?

 

中学校かな、今の音楽に続く道の始まりは。ピンク・フロイドやジミー・ヘンドリックスなどのサイケデリックなクラシック・ロックにハマってたんだ。

でも抽象的かつ奇妙な音楽を作ってきた歴史上の人々について学ぶにつれ、いわゆる一般的な曲やバンド、演奏からは離れて、音のみの音楽へと好みが移っていったんだ。

 

5. 初めて感動したアーティストは誰ですか?

 

はじめて音楽との深いつながりを感じた経験のひとつとしてブライアンイーノの”Music for Airpotrs”を聴いたときがあげられる。

 

 

僕は16歳で、地元の図書館で借りたんだ。これが自分が探してきた音楽だ、とすぐに思ったね。僕が音楽から得たい感情がそこにあったんだ。ほぼ毎晩寝る前に聴いたよ。

今でも音楽に関してそのように思うことがあるんだけどね。新しい音楽を聴いて興奮しない、というところまで疲弊することはほとんどないんだ。

まだまだ音で誰かを感動させることはできるんだ。自分の好きな作品、たとえばモートン・フェルドマンの曲、を聴くと、いまだに体を越えて音を感じるほど感動することがあるよ。

 

 

6. 10代の頃、特に高校時代、どんなアルバムを1番リピートしましたか?いくつか作品を挙げてみてください。

 

「Music for Airports」&「On Land」Brian Eno
Richard D. JamesAphex twin
「Amnesiac and Kid A」Radiohead

 

7. 近年ではどんなアルバムを最もリピートしましたか?いくつか作品を挙げてみてください。

 

Morton Feldman - Piano, Violin, Viola, Cello and Violin and String Quartet
Toshimaru Nakamura- Egrets
Edgar Varese- Deserts
Actress- Ghettoville
Roberto Cacciapaglia- Sei Note In Logica
Michel Chion- On Narrete Pas Le Regret
Schoenberg- Verklärte Nacht
James Twig Harper- American Esoteric Volume 1
Klaus Schulze- Irrlicht
Sachiko M- Sine Wave Solo
Moniek Darge- Sounds of Sacred places
Current 93- I Have A Special Plan for This World, Honeysuckle Aeons
Sawako- Hum
DJ Sprinkles- Midtown 120 Blues
Robert Ashley- Automatic Writing
David Sylvian- Manafon, Blemish
Iasos- Inter-dimensional Music
Steven Halpern and Georgia Kelly- Ancient Echoes
Brian Eno- Music for Civic Recovery Center, Kite Stories, Composite Forest Proposal, Shutov Assembly
Fennesz- Endless Summer
Albert Ayler- Live in Lorrach Paris 1966

 

 

8. あなたの記憶の中で最も昔に聴いた曲はなんですか?あなたの思い出を教えてください。

 

たぶん、マイケル・ジャクソンの"Thriller"かな。母はマイケルの大ファンだったんだ。

 

9. 好きなレコードショップはどこですか?(ネットショップやディストリビューターも含む)

 

地元にいくつかいいところがあるよ。具体的に言うのであれば、まあdiscogsにいくかな。いまだにツアーで出会う人や友達と交換してるよ。

 

10. どんなメディアを頻繁にチェックしますか?

 

Soundcloudは無名の人々が集まって奇妙な音楽をつくるには最高のプラットフォームだよ。2000年代のブログは最高だったね。ブログからは良い音楽をたくさん教えてもらったよ。残念ながら、もうほぼ存在してないけどね。

良い音楽を知るにはバーチャルでも現実でもソーシャルグループに属して、今まで自分が出会ってきた音楽や経験をシェアするのが良いと思うんだ。

 

11. 好きなレーベルはどこですか?

 

難しいけど、レーベルのみから情報を得るというのはよくないことだと思う。どこに属しているかで判断せず、オープンでいることが重要だと思うよ。

それを言った上で、Raster NotonやKyeはいいね。Vitrine、Alga Margenも。あとMorc Tapesも昔好きだったけど、今あるかはわからない。あとANOMIA :)

 

 


12. 散歩するとき、どんなアルバムを聴きますか?

 

普段聴いてるものと同じだよ、ビート系の音楽。アメリカの北東部の虚しい街並みをActressのGhettovilleのような曲を聴きながら歩くのは結構いいよね。

僕の音楽も同じような感情を引き出すことができたらと思うんだ。虚しい街に声を与えるような。

 

13. 人生の最後にどんな曲を聴きたいと望みますか?

 

んー、何にも聴きたくないんじゃないかな。まわりにクリスタルボウルを20個ぐらい置くかも。

それかLa Monte YoungのDreamhouse式の発振器を死に床の周りに設置するとか。

あとワグナーの「The Procession of The Knights of The Holy Grail」か、前奏曲には「トリスタンとイゾルデ」かな。

 


それかEliane Radigue(エイリアーヌ・ラディーグ)の何か。

 

 

14. 今まで聴いた中で最も素晴らしい作品はなんですか?

 

僕の見た素晴らしいライブパフォーマンスを紹介するよ。

 

Tristan and Isolde,

and Gotterdammerung live at the Metropolitan Opera House.

Mark Fell at Issue Project Room.

Moniek Darge and company at IPR.

Astro live in Philly.

John Wiese in NY.

Merzbow in NY.

Sawako in Brooklyn.

Nautical Almanac countless live sets.

Fennesz at Carnegie Hall.

Yasunao Tone at IPR.

 

 

私は才能溢れた友人達からいつもたくさんのインスピレーションを受けて驚かされてるよ。

たぶんいくつか忘れてる。

 

15. 音楽との関係を通してあなたが学んだ最も大切なことを教えてください。

 

僕にとって音楽はこの世界の自己神話のようなものに組み込まれているんだ。僕にとって音楽を聴くということはあらゆるものに深く根付いているから、音楽から何を学んだかということを答えるのは難しいんだ。僕は(音楽に関して)常に聴き、そこから更なる何かを求めている。そしてそれを作る過程というのは自分自身のこの世界に対する考えや感情、意識を表現したり、さまざまな事象を理解するのに十分なツールであるんだ。

 

16. あなたにとって「インディ・ミュージック」とは?

 

インディペンデントミュージックというのはジャンルにとらわれたり、ある特定のタイプの音楽を作ったり、特定の場面や時に固執したりすることなく、純粋に表現された音楽なんだ。そしてもちろん金銭的な利益を生み出す目的で作られない。僕が思うに、一度作った音楽にこういった要素が入ると、その時点で妥協したことになり失敗してしまうんだ。