雑記その2
最近、日本でのインディについて色々と考えています。
80年代末から90年代前半にかけての渋谷系は、あらゆる最先端の統合として展開し、その後の可能性を見せたものの、一瞬に膨らんではじけてしまいました
メジャーのアーティストでもスガシカオは、オートメーション化してしまった自身の音楽活動を見直すために一度インディーズに戻りました。しかし、彼もまたメジャー再デビューの形でメジャーでの活動に回帰しました。
数年前のCaptured Tracks が勢いに乗っていたあの時、日本でも、Jesse Ruins 、Hotel Mexico 、Moscow Club 周辺の新世代の活躍によって「何かが生まれるかもしれない」空気を感じさせてはくれました。しかし、現在は、当時ほどの勢いを感じることはできません。(Hotel Mexicoは解散)
Jesse Ruinsの新作は世界的インディメディアのPitchfork 、ファッション誌などにも取りあげられてはいますが、Youtubeにアップロードされた 「L for App」 の再生数は公開から一か月半となる現在(これを書いた時点)で約2500再生です。
最近では、インターネットで育ったアーティストたちのいつの間にかメジャーデビュー(これは音楽に限らずですが)。そして、当たり前のように「メジャーデビューおめでとう!」の声が飛び交います
音楽への献身的な姿勢が故に、自らの身を削って"あえて"インディで活動を続ける日本のアーティストが「結局、日本での活動はメジャーでないと...」と思ってしまうのも無理のないことかもしれません。
しかし、現在、先日まとめた「注目すべき日本のアーティスト」で紹介するように面白い音楽をしている人は間違いなくいます。音楽自体がつまらないのではないです。むしろ、捉えきらないほどの多様化から面白くなっていると言ってよいと思います。
大きなイベントとして、Hostess Club Weekender 、 フジロックもあります。
どこに需要があるのかが心配になるほどニッチなアーティストの来日公演も定期的に目にすることができます。これは一定数のコアなリスナーが存在することをあらわしています
王道なところは勿論のこと、「この人は誰?」と思うようなアーティストの日本版も見つけることができます。
しかし、アーティスト、リスナー、イベントが揃っているのに個人経営のレコードショップの多くが店を畳まざるを得ない状況に追い込まれています(例え、世界的にはレコードブームが起きているとしても!)
何が足りないかと言えば、それらを繋ぐメディアなのかもしれません。
もはや「十年前からラインナップが変化していないのでは?」とすら思える某音楽番組、今となってロバートグラスパー(現代ジャズの凄い人)を表紙にした某音楽雑誌etc...
海外メディアでは、L.Aビートの根幹を担ったチャリティーによってなりたつ Dublub.com のようなラジオ局、想像以上に面白い音楽を紹介しているBBCなど...
ここでせっかくなのでBBCの実際の音楽番組のラインナップを見てみましょう
BBC Radio 6 Music - 6 Music Recommends, With Steve Lamacq
まさにインディの「今」を捉えたラインナップ!!!
Deers なんてまさに旬です、Kid Wave 、King Gizzard & The Lizard Wizard
も素敵です。 これが公共放送の電波に乗ると考えるとワクワクしないでしょうか?
(ちなみにこれを書いている今、視聴している番組には最近再結成したSlowdiveのレイチェルが参加しています)
ふと思い出した自分自身の経験としても、インディが嫌いでインディを聴かないのではなくて、聴く機会がなかったために聴かない状態でした。
やはり、インディに触れることの出来る機会を提供するメディアが圧倒的に少ないことが問題なのかなと思いました。
近くにインディの置いてあるレコードショップがあった、兄弟がインディ好きだったなど、運よく(?)インディに辿りつくことの出来た人たちによってしかインディが楽しまれない状況を寂しく思います。
AMPさんによるピーチ・ケリー・ポップのインタビューを是非読んでみてください。
インディがインディとして活動を続けることのできることについて認められている文化について理解が深まると思います。
ピーチ・ケリー・ポップ インタビュー | AMP - 新しい音楽と出会える情報サイト
いつの日か、日本でもアーティスト、リスナー、メディアなどが有機的な関係を形成して、インディがインディとしてインディらしく鳴る日がくるのでしょうか?
悲観ばかりをして待っていても、そんな日が訪れることはきっとないです!
何か出来ることをしてみましょう!
リスナーであれば新譜を買う、ライヴにいく、お金がないのであれば無料で利用できるSNSなどを活用して拡散するなどなど…
新譜を買いましょう!
言うまでもなく、こんなブログを閲覧されている皆さんの大半は、ほぼ間違いなく買っておられると思いますが…
きっとインディってそういった素朴な愛情のようなものの集合によって支えられることで成り立っていて、それがまさにインディの面白さなのだと思います。
今回の雑記もあっちへ飛んでこっちへ飛んでとまとまりがないですが、雑記と言うことで許してくだされば…
今回はここまでです。